生活習慣病というと高血圧、高脂血症、肥満、などがあげられますが、今一番問題になっているのが、糖尿病です。糖尿病による経済損失は5兆円と言われています。(合併症を含まない治療費は9000億円)
現在690万人の糖尿病の患者さんがいて、その中の27%の人が合併症で苦しんでいます。患者数は伸び率にしてこの15年間で4.4倍となり他の病気と比べてダントツ一位です。糖尿病は決して諦める病気ではなく、各人の注意により改善ができるものなのです。改善の努力をしないで、放置しているためにどんどん悪化していってしまい合併症がひどくなり社会的生活ができなくなることがあるのです。そのために糖尿病専門の医師たちは「放置病」と言っています。以下糖尿病とのつきあい方を交えてお示しします。
●糖尿病
糖尿病には1型と2型があります。2型はインスリン分泌異常やインスリン抵抗性のある人が過食、偏食、運動不足、肥満、ストレスなどが発症因子として作用して徐々に、殆どが無症状のうちに発症します。わが国の糖尿病の大部分はこの2型糖尿病です。1型はインスリンというホルモンの分泌が欠乏している状態です。
以下に簡単に説明してみます。
診断はどうするの?
診断の決め手は血糖検査か75gブドウ糖負荷試験です。
以下のような場合は糖尿病と診断します。
糖尿病としての自覚症状がある場合(喉の渇き、全身のだるさ、多飲多尿、体重減少など)
75gブドウ糖負荷試験の2時間値:200mg/dl以上
又は
随時血糖値:200mg/dl以上
又は
早朝空腹時血糖値:126mg/dl以上
糖尿病としての自覚症状が無い場合
別の日に行った検査で上記を2回以上確認
放置するとどうなるの?
放置すると重大な合併症がおこり社会生活がままならなくなります。
合併症とは神経症(手足のしびれ)、網膜症(失明)、腎症(人工透析)が大きなものです。
治療はどうするの?
大原則は食事療法です。一日に摂るべき食事のカロリーをきちんと計算してそのカロリー以上に食事を摂らないことです。標準体重を計算してそこから一日の必要カロリーをだします。ただいきなり計算をしても実行が伴わない場合が多いのでもう少し簡単な方法をお勧めしています。それは今食べている食事をおかずだけ20%残してみる方法です。これなら計算も必要無いし簡単に実行できます。またアルコールは糖尿病には良くないです。コントロールがうまくされていない糖尿病の場合は原則的にアルコールは禁止です。実際にアルコールを止めるだけでうまく糖尿病がコントロールされる方が非常に多いです。
次は運動療法です。有酸素運動(散歩、ジョギング、水泳、自転車など)が理想的で決して息切れがする程にはする必要はありません。心拍数は120前後がよいでしょう。
それでもだめなら薬物療法です。
薬物療法にはどんなものがあるの?
内服薬とインスリン注射があります。
内服薬?
内服薬には大きく分けて3種類あります。
アルファ・グルコシダーゼ阻害剤:腸で糖が吸収されるのを遅くさせる薬です。食後の血糖の上昇を抑えるために有効です。
スルホニル尿素剤:すい臓からのインスリンの分泌を促進させる薬です。
インスリン抵抗性改善剤:体のインスリンに対する反応を良くさせる薬です。
インスリン注射?
現在のインスリン注射による治療は昔と違って、短期間集中型です。一日3回〜4回の自己注射を3ヶ月から6ヶ月で終了します。この短期間集中のインスリン療法によりすい臓が回復して終了後にはすい臓からのインスリンの分泌が正常に戻ることを誘導する治療です。
糖尿病のことをもっと調べられるところはないの?
以下が糖尿病協会のサイトです。参考にしてください。
http://www.dm-net.co.jp/seminar/seminar.htm
当院での治療
当院では以上のように一般的な治療を中心に行っていますが、特にインスリン自己注射の導入に力をいれています。
インスリンの短期集中型の治療は3ヶ月から6ヶ月くらいで終了できるように治療を始めます.インスリン自己注射を始めるにあたり入院をせずに外来通院で治療を行います。入院がなかなかできない方でインスリン注射を開始する必要のある方のニーズにお応えできます。
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